投資信託を選ぶ際に目にする「インデックス」と「アクティブ」、なんとなく分かるような、分からないような・・・という人、多いのではないでしょうか。投資信託を選ぶ際に絶対知っておきたいのは、インデックスとアクティブ、この2つの違いです。今回は、この違いを、とにかく分かりやすく解説します。最後まで読んでもらえると投資信託を選びやすくなりますよ。
目次
インデックスファンドとは
ここに偏差値60のAさんがいます。Aさんは調子が良いときは、試験で偏差値70以上を取ることもありますが、調子が悪い時は偏差値40以下になるときもあります。
国語 偏差値70
英語 偏差値40
成績の変化が激しいAさんですが、もし、あなたがインデックスタイプなら、Aさんが40の偏差値だったら自分も40の偏差値を取らないといけません。自分だけ抜け駆けして50の偏差値を取ってはいけないのです。もちろん、Aさんより悪い成績もダメ。
まったく同じ成績でないとダメなのです。
もし、Aさんが参考書の100ページ目を勉強したら自分も100ページ目だけを勉強します。そして、同じ偏差値を取ります。つまり、自分もAさんになりきるということですね。インデックスタイプは、どれだけ良い偏差値を取るかというのは問題ではなく、どれだけ上手に真似できるかがポイントです。
したがって、Aさんが調子が良い時も悪い時もAさんと同じ成績を取ります。
つまり、インデックスとは自分が目指したい数字であるAさんと同じような動きをする投資信託のことを言います。綺麗に連動できればできるほど優秀なインデックスになります。
インデックスはモノマネなのです。
代表的なベンチマーク(Aさん)
では、ここで投資の世界のAさんには、どんなものがあるのか見てみましょう。
Aさんのことを投資の世界の言葉では「ベンチマーク」と言います。モノマネされる対象がベンチマークです。たとえば「日経225」はニュースで聞いたことがある人も多いでしょう。「日経225」は日経平均のことで、トヨタやユニクロ、JRなど日本を代表する大企業225社の株価を網羅した指標です。
また、S&P500はAmazonやアップル、マイクロソフトなどアメリカを代表する500社の株価を網羅している指標です。
インデックスタイプの投資信託は、名前にベンチマークの名前が入っていることが多く、何のモノマネをしているのか分かりやすいですよ。たとえば「日経225ノーロードオープン」「eMAXIS Slim 米国株S&P500」など、名前を見ると何のモノマネをしているか分かります。
モノマネをするため、Aさんを目安にしているインデックス型の投資信託は、Aさんが下がったらその投資信託も下がるし、上がったら上がるし、抜け駆けせず、連動する投資信託のことを言います。
だから、インデックスファンドだからリスクが小さいというわけではないし、初心者向けというわけではありません。Aさんと同じ動きをするよということであって、それ以上でもそれ以下でもないのです。
ただ、Aさんの成績はニュースとかで得やすいため、分かりやすいと言えば分かりやすいので、そういう意味では初心者は馴染みやすいでしょう。
インデックスファンドの選び方
インデックスファンドの選び方は、Aさん(ベンチマーク)これを何にするかをまず決めます。日本なのか、アメリカなのか、全世界なのか、日本なら2000社の株価を網羅するTOPIXなのか、225社の株価を網羅する日経平均なのか、まず決めます。Aさんが決まったら、Aさんに連動する投資信託を複数探して、その中で信託報酬が一番安いものを選ぶという方法が一番簡単に決められる方法です。
ベンチマークが同じなら、コストは低いに越したことはありません。
アクティブファンドとは
次にアクティブファンドです。アクティブファンドとは、インデックス以外のファンドを言います。アクティブファンドは独自路線を走る投資信託のため、Aさんが参考書30ページを勉強したら、自分は50ページ勉強して、Aさんの偏差値を抜きます。Aさんが偏差値60なら自分は70。
常にAさんの上を目指すのがアクティブファンドです。しかし、大変なので、毎回Aさんを抜けるとは限りません。ヤマカンが外れて悪い成績を取ることもあります。
また、Aさんなんて関係ない、Aさんがどんな参考書を使っていようが、たった3冊の参考書だけで合格する!だから、厳選して3冊を選ぶ!と、参考書を厳選して成績を上げていくというアクティブファンドもあります。
日経平均の225社に連動するんじゃなくって、選りすぐりの3社を見つけて、その3社だけに投資をして、ずばぬけた成績をだすぞ。ということですね。ただ、この場合、どの参考書を厳選するか、たくさんの参考書を買って実際中身を見ないと厳選できないわけですから、手間とコストがかかります。
そのため、アクティブはインデックスよりコストが高めになる傾向があります。では、ここでコストとは何か確認しておきましょう。
投資信託の信託報酬とは
コストにも何種類かのコストがありますが、自分のお金を運用や管理してもらうために毎日自分の資産から差し引かれる信託報酬というコストがメインコストです。信託報酬は、資産に対して何%という形で差し引かれ、そのパーセンテージがインデックスよりアクティブの方が高めになる傾向があります。
では、どれくらい違うのでしょう?
たとえば、インデックスのコストが0.3%、アクティブのコストが1.3%とすると・・・
1.3÷0.3=4.3倍のコストがかかるということです。
もし100万円の資産があるなら、
○1日あたりの信託報酬
インデックス 100万円×0.3%×消費税1.1÷365日=9円/日
アクティブ 100万円×1.3%×消費税1.1÷365日=39円/日
1日あたりにすると大した金額ではありませんが、長期積立するなら、その差は大きくなります。たとえば、毎月1万円を20年間積み立てて、利回りが3%だとすると、上記の設定なら、インデックスとアクティブの20年間の信託報酬の差は、ざっと30万円くらいになるでしょう。
30万円も違いがあるなら、安いインデックスの方が良いに決まってる!と、思いたくなります。
ただ、これはあくまでも同じ利回りならという計算です。20年でパフォーマンスが30万円以上上回るアクティブだったら、アクティブのほうがいいということになりますね。でも、アクティブはインデックスに勝てないってよく言われていますが、そんなアクティブファンドあるのでしょうか。
インデックスに勝てないアクティブもあるけど、勝っているアクティブもある
下記のグラフは、2022年末時点の信託報酬控除後のリターンをアメリカ、ヨーロッパ、日本のベンチマーク、つまりAさんと比較して、Aさんより成績が良かったアクティブファンドの割合をあらわしています。
アメリカはS&P500と比較しているため、S&P500より成績のいいアクティブは約1割しかなかったということです。しかし、日本の場合は、TOPIXと比較しているのですが、3割のアクティブファンドがTOPIXを上回っています。
実際、日本に投資する投資信託で10年のリターンランキングを成績良い順に並べてみると、こんな感じになりました。
いつを基準にしてランキングするかで、この結果は違ってくる上、対象とするファンドも先ほどのグラフと今回の表では違うため、結果は一致していません。しかし、必ずしもアクティブはインデックスに勝てないというわけではありません。
とはいえ、ここの表に書いてあるアクティブファンドに投資した方がいいとも必ずしも言えません。なぜなら、この10年はこの表のアクティブが良かったという結果であって、今後もずーっと活躍するファンドかどうかは分からないからです。
アクティブファンドの選び方
では、アクティブファンドを選ぶなら、何を基準に選べば良いでしょうか。たとえば、「これから成長が期待できそうな企業に投資します」とか「新しい時代を作る会社に投資をします」とか、アクティブファンドには投資方針に個性があります。
その個性を知って、共感できたり、納得できたり、投資哲学や信念が好きと思える投資信託に投資すると良いでしょう。
と言っても、ちょっと難しいですよね。
さっき参考書3冊で合格ねらうと言いましたが、まず、3冊で狙うという方法に共感できるか、また、その選りすぐられた3冊は、自分も良いと思える参考書なのか、それを投資信託に当てはめる感じです。
このような情報は、運用会社がホームページやYoutubeで情報発信しています。見てわかるかどうかは別ですが、自分がわかる内容で情報発信しているところをチェックすればいいでしょう。中には、難しいことだけ、最低限の情報発信しかしていない投資信託もあるけど、そういう不親切な投資信託は初心者のうちは、チェックしなくていいでしょう。
このような作業は、自分で情報を取りに行かないといけないから、少し大変な作業です。好きじゃないとできないかもしれません。
なので、好きじゃなかったら、インデックスファンドでいいんじゃなでしょうか
保険などの商品を売らないファイナンシャルプランナーとしてライプラン相談を行っており、特に高齢出産夫婦が家を買って2人目を出産しても子どもが希望する進路をあきらめさせない家計を実現させることを得意としている。
お客さまが生涯にわたり経済的不安のない生活を送り、人生を自由に選択できるように。そして、なによりすべての子ども達が希望する進路をあきらめない生活を送れるようにとの想いを持ち活動中。