マイホーム、いくらまでなら購入できる?が分かる方法

家を購入したいと思った時に、「我が家はいくらまでの家なら購入できるのか?」疑問に思ったことはないですか?

実は、この疑問、思い浮かぶ人と思い浮かばない人がいます。思い浮かぶ人は、遠い将来までのお金のことをしっかり考えられる人。

最初に金額を検討していない場合、数年後、教育費がかかってくるにつれ、ローンの支払が苦しくなることがあります。「ローンのこと、ちゃんと考えるんだった」と後悔しながら住宅ローンを払い続けることにはなりたくないですよね。最初のうちに、しっかり計画をたてておきましょう。

この記事では、将来の収支をイメージして返済できるかどうかを考えていきます。

無理なく返せる住宅ローンって、どうやったら分かるの?

ポイントは、金利の設定と収支予測です。順に確認しましょう。

金利の設定

マイホーム購入の上限金額を知りたい場合は、まずは、固定金利で返済シミュレーションしましょう。

実際に固定金利で借りるかどうかは別として、予算上は固定金利を設定しておき、固定金利でも返せるローンの目安を算出します。

不動産を見に行って、ローンシミュレーションしてもらった人もいることでしょう。その場合、ほぼ変動金利でシミュレーションします。

変動金利のほうが、返済額が少なくなりますからね。販売する側としては、「この程度の返済額なら、今の家賃と比べても返していけそうですよね」と見栄え良くみせられます。しかも、「変動」金利なのに、35年間金利が変わらない設定でシミュレーションされることも珍しくありません。

でも、今の変動金利が今後20〜30年、続くでしょうか。それは誰にも分かりません。

住宅購入の上限額を知りたいのは、将来の不確実要素を見込んでも、問題なく買えるか?という疑問をクリアにしたいからですよね。なので、購入上限額を知りたい場合は、変動金利よりも高く、金利が変わらない確実な固定金利でシミュレーションします。

検索すればローンシミュレーションサイトがたくさんヒットしますから、シミュレーションサイトで毎月の返済額をシミュレーションしてみてください。ちなみに、下記は頭金を1割以上入れた場合のフラット35の金利(1.33%)に3大疾病付きの団信(0.24%)を上乗せし、合計の金利を1.6%とした物件価格ごとの月々の返済額を計算した表です。

物件価格借入額月々返済額
4,000万円3,600万円11.2万円
5,000万円4,500万円14万円
6,000万円5,400万円16.8万円
7,000万円6,300万円19.6万円

金利は、2021年11月の金利です。融資手数料や保証料は考慮していません。単純に借入額を35年ローン、金利1.6%で借りた場合の月々の返済額を表しています。

どうでしょう?返していけそうでしょうか?今は返していけそうかもしれませんね。

でも将来にわたって返していけるのか?をクリアしたいですよね。そこで、次は、将来の収支を想像してみましょう。

将来の収支を予測する

月々のローンの返済額が分かったので、それを返していける家計なのか、教育費、老後費用、住居費3大支出を考えながら、確認していきましょう。ここでは、教育費と老後費用を住居費より優先する考え方で確認をします。

  1. 子どもが高校生になった時、世帯年収はいくら?
  2. 高校でかかるお金と大学用の貯蓄を差し引く
  3. 老後の貯蓄を差し引く
  4. 残ったお金で生活できそう?

それでは、4つの手順で確認します。

1、子どもが高校生になった時、世帯年収はいくら?

子どもが高校生くらいになると、教育費にお金がかかってきますね。教育費にお金がかかる時期でも、ローンを返していけるのか?確認しましょう。

子どもが高校生のとき、あなたは何歳ですか?55歳から年収が下がる会社もありますが、あなたの会社はどうでしょうか?子どもが高校生になった時の世帯年収をまず予想してください。

そして、年収の2割が税金と社会保険料と考え、8割を手取りとして12で割りましょう。すると、とってもかなりざっくりですが、1ヶ月の手取りをイメージできます。

年収が600万円なら、その8割の480万円を手取りと考え、480万÷12ヶ月=40万円。手取りは40万円という計算です。

2、高校でかかるお金と大学用の貯蓄を差し引く

手取りが分かったら、教育費を支出します。下記は、公立高校と私立高校の1年間あたりの平均教育費です。大学進学するなら1年生と3年生では、教育費は大きく違ってきますが、とりあえず、ここでは簡便に平均値で考えます。

学校種別学校教育費学校以外教育費合計1ヶ月あたり教育費
公立高校28万円18万円46万円3.8万円
私立高校72万円25万円97万円8万円

先ほど予想した手取り月収から、上記の「1ヶ月あたり教育費」を差し引いてください。子どもが複数いて、高校生の期間が重なるなら、子どもの人数分の教育費を差し引いてください。たとえば、子どもが2人いて、2人とも公立高校に行くとして、1年生と3年生で高校期間が重なるなら、3.8万円×2人=7.6万円を手取りから差し引きます。

次に大学進学のための貯蓄を差し引きます。

学資保険を払っていたり、月々貯蓄をしたりしていると思いますが、その貯蓄が子どもが高校生になっても続いているようであれば、その貯蓄額も差し引きましょう。なお、大学費用は大学までに全額貯蓄するという前提で計算するので、もし、今のペースの貯蓄では全額準備できそうにないなら、今から貯蓄を増やした場合の金額で計算してください。

たとえば、大学費用に500万円かかるけど、今のペースじゃ300万円しか貯まらないなら、残りの200万円を今から貯める設定ということです。子どもが10歳なら、18歳までに200万円を追加で貯めるわけですから、200万円÷8年÷12ヶ月=2万円となり、今の教育費の貯蓄額に2万円を上乗せしてください。

ちなみに、大学費用の目安は、

私立大学文系(自宅通学)で500〜700万円

私立大学文系(自宅通学)700〜1000万円

国立大学(自宅外通学)で500万円

です。

教育費については、こちらの記事で詳細を書いています。もっと詳しく知りたい場合は、参考にしてくださいね。

3、老後の貯蓄を差し引く

次に、老後の貯蓄を差し引きます。いくら貯めれば良いか、分からないんだよね〜。という人もいるかもしれません。しっかり計算したいなら、こちらの記事で、計算してください。明確な数字を出すことができます。

とりあえず、今は明確な数字は不要ということなら、今、貯蓄している金額を差し引きましょう。給与天引きで積み立てているお金やiDeCo、つみたてNISA、老後のための生命保険など、老後のための貯蓄を差し引きます。

4、残ったお金で生活できそう?

さて、手取り収入と教育費と老後費用を予想しました。収入からそれら金額を差し引きましょう。残ったお金でローンを返しながら生活できそうでしょうか?マンションなら、管理費と修繕積み立て、車があるなら駐車場代も加味してくださいね。マイホーム購入後、10年くらいすると、修繕積み立ての金額がアップしているかもしれませんし、戸建てなら外壁塗装など必要になるかもしれません。

また、子どもが高校生なら、おこづかいも携帯代も必要ですね。食費もアップするでしょうし、今と同じレベルの生活費ではないでしょう。

一般的に子育て世代は年間2%日常生活費がアップしているデータがありますので、年間2%アップした生活費で考えると良いですね。たとえば、子どもが10年後に高校生になるなら、2%×10年=20%なので、今の日常生活費を20%アップさせて考えるということです。

手取り収入ー高校の教育費ー大学のための貯蓄ー老後のための貯蓄ー子どもが高校生になった時の日常生活費ー住宅ローン(ー管理費・修繕積立・駐車場代など必要に応じて)=お金余る?

無理のない範囲で住宅ローンを組む

さて、ざっくりした予想でしたが、教育費がかかる時期の住宅ローン返済のイメージができたでしょうか。住宅ローンを返せるかどうか、自分が購入できる住宅の上限額を知るというのは、とても大切なことです。教育費や日常生活費などは、予想外の支出は必ずあります。もし、このざっくり予想で、「ちょっと厳しいかも」という結果だったら予想外の支出に耐えられないかもしれません。購入金額を下げる、あるいは、生活レベルを下げることも検討してみましょう。

「余裕でローン返せそう!」なら、マイホーム取得にむけて動き出すと良いですね。その際には、引越し費用やローン諸費用などに、数十万〜数百万かかりますから、その分の貯蓄があるかの確認も忘れずにしてくださいね。

もし、ざっくりじゃなくて、具体的な数字でシミュレーションしたいということなら、ライフプラン相談を検討してみてください。ライフプラン表を作成すると、不安なくマイホーム購入に進むことができますよ。

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